5月の法語は「愛でる一方で 踏みつけてる私」です。
今年は、予想以上に桜の季節が早々に去り、ツツジや藤にバトンタッチされました。
カメラ付き携帯電話が普及し、簡単に撮影できるようになったので、名所が以前よりも賑わいを見せています。
ある桜の名所に出かけた時のことです。多くの人が目当ての被写体に気を取られるあまり、足元のたんぽぽが見事に踏みつけられていました。桜もたんぽぽも同様に春の訪れを告げてくれる可愛い花のはずなのに、人間の残酷さを目の当たりにしたことでした。人間関係も同じです。特にコロナの時代、自己愛が深刻化しています。それは自分以外の人を踏みつけるような行為が伴っているようにさえ思えます。
美しい風景のなかで、人間が生きることの痛みを突きつけられました。
