2月の法語は「憂いの多い私が 鬼の正体」です。
今年も節分の季節になりました。さて、鬼はどこにいるのでしょうか? 鏡に「鬼の形相」をした自分を見つけたことはありませんか?
『仏説無量寿経』というお経のなかに「田あれば田を憂う 宅あれば宅を憂う」というお言葉があります。田んぼがあればあったで所有している田んぼを憂い、またなければ所有したいと思って憂うのが私たちです。欲しいものが手に入っても、手に入らなくても憂う気持ちはなくなりません。私たちは、何かが不足していて憂うばかりではなく、足りていても満足を知らず、不平不満を漏らし、時には人を羨み、自分の思い通りにならなければ「鬼の形相」になるのです。
満足を知らずに「もっと、もっと」と求め続ける欲深いありさまを「餓鬼(がき)」と言います。
ないものを嘆くより、今与えられている境遇に感謝することができたら、どんなに豊かな人生になるでしょう。「当たり前」だと思っているものを一つひとつ見つめてみると、大切なことに気づくことができるはずです。