4月の法語は「本当に恐ろしいのは ウイルスよりも差別や偏見」です。
世間は新型コロナウイルスの話題でもちきりです。私自身、日に日に増えていく感染者数に動揺をかくすことはできません。
感染拡大予防のため、お寺のご法座を中止や延期にされる事例も多く、終わりの見えない厳戒ムードに気が滅入っておられるかたも多いのではないでしょうか。
なかでも、この感染症の二次災害が目立つようになってきました。「〇〇さんが新型コロナウイルスに感染している」などと、ありもしない噂を流されて、風評被害に悩まされている方もおられるようです。
また、中国人というだけで、白い目でみられたり、罵声を浴びせられたりといった差別を受けている留学生も多いようです。
インターネットの通信販売サイトでは、この期に及んで、マスクや除菌アイテムの値段が釣り上げられています。
今回の騒動で明らかになったのは、人間が持つ差別の本質です。感染された人は、たとえ回復しても、そのときに受けた心の傷は一生癒えることがないでしょう。