待ち遠しかった春がすぐそこまで来ています。しかし、過ごしやすい時期は短く、あっという間に灼熱の季節がやって来ることを私たちは知っています。
人生においてもそうです。調子よくものごとが運ばれて「幸せすぎて怖い」と思うのは、自分が掴んで離さない多くの宝物がいつかすべて奪われてしまうときが来ることを知っているからでしょう。その宝物とは、健康な体であり、仕事や地位、家族、財産など、この私が無くしたくないと思っている全てです。
しかし、これらを一つひとつ手離していくことこそ、私に課された大切な「いのちの宿題」です。
人には三つの価値があると言われています。行動し、物を作り出すことで実現される「創造価値」と、ごくまれな経験をしたことで実現される「経験価値」。そして、現実に対してどのような態度をとるのかを問われる「態度価値」です。前者の二つと態度価値との違いは、年齢を重ね、病を経験し、どんどん体や思考回路が思うように動かなくなっても、見出すことができる唯一の価値だという点です。
どんな時代においても、若者は先輩の背中を見ています。未来を担う若者に恥じない態度で過ごしたいものです。