花盛りの5月になりました。今年の連休も緊急事態宣言下で、どこへも出かけることができませんが、日頃の過ごし方を見つめる期間にしたいと思います。
5月の法語は「苦しみが 本当の世界に出遇う手がかりとなる」です!!
私たちは現実世界を生きているようで、実は自分で思い描いた世界に生きています。好都合なことだけを自分の人生に取り込んで、不都合なことに関しては「どうして私がこんなめに・・・」と出来事を恨み、自分の人生からできることなら排除したいと思って生きているあり様が、現実世界を生きていない証拠です。
理想と現実が交差すれば幸福だと有頂天になりますが、その距離が離れれば離れるほど苦しみが深くなります。
しかし、この苦しみこそが「本当の世界に出遇え!」との催促なのです。
傷口から薬が浸透するように、私の苦しみ悩む心に仏法は入っていきます。有頂天になっている時ほど、耳に痛い真実の言葉をはねつけてしまい、聴く耳を持たず、仏法が入らないのです。
何も特別な経験をしなければ仏法に出遇うことができないと言っているわけではありません。日々の生活のなかで、思い通りにならない現実に直面したとき、心が全力でその現実を拒否していても、身はありのままの本当の世界を生きていることに気づかされるのです。