7月の法語は「満足を知らず 願ってばかりいる私」です。
今年も「七夕」の季節になりました。
織姫と彦星のエピソードは有名ですが、日本では古来より真っすぐ育つ笹にあやかり、子供の成長を願ったと言われています。また飾り付ける短冊や、飾り物のそれぞれにも人々の願いが込められていたとされています。
ショッピングモールの一角に設置された笹飾りに目をやると、まさにそれは願いごとのオンパレードでした。「七夕」は美談にされがちですが、実は私たちの欲望がむき出しになる行事でもあるようです。
お釈迦さまは「少欲知足(しょうよくちそく)」という教えをのこしておられます。欲しいままに暴走している私のありかたを知らすと同時に、すでに多くのものを手に入れてきたことを言い当てておられるのです。
生まれてきたからには、必ず老いて病気になります。思いのままに身体が動かなくなり、物忘れもするようになると、頼りにしてきた知識や名誉、地位などがすべて奪われるのです。一生かけて飾り付けてきた宝物がすべて奪われるとき、私たちは何を思うのでしょうか。