9月の法語は「真実に背くところで 真理と出遇う」です。
この世に存在する生き物すべてに「老病死」といういのちの宿題が与えられています。それは、いのちの長短に関わらず、あらゆるものの上に成り立つ法則です。
しかし人間は「老=歳を重ねる」という課題について、不思議な見解をもっています。子供のうちは「成長=良いこと」として捉えることに対し、ある一定の年齢を超えると「加齢=悪いこと」として嫌煙します。私たちの歪んだ見方が真実を見失わせているのです。
日々の暮らしのなかで「若いっていいなぁ」「歳は取りたくない」というような決まり文句をよく耳にします。時には私も発します。これらは身近な言葉ですが「諸行無常」の法則に基づいて考えると、真実に背く思いによって生み出された発言であることがよくわかります。
私たちは、無意識のうちに真実に背くところで、思い通りにいかないことを教えられます。能力や努力など関係なく、真実を真実のままに届けられる「真(まこと)」の「理(ことわり=道理)」に出遇うのです。