8月の法語は「その『善』は人のため？ それとも自分のため？」です。
「一日一善」という言葉は「一日にひとつは、誰かのために善いことをしましょう」という意味ですが、純粋に誰かのために行動を起こすのは容易なことではありません。
誰かのために行ったつもりでも、御礼の言葉がないと腹が立つのは、自分のための「善」だったという証拠です。また良かれと思ってとった行動が逆効果になることもあります。これは価値観を押し付けた証拠でしょう。
善いことをしたら気持ちがよかったり、見返りを期待してとった行動を親鸞聖人は「雑毒（ぞうどく）の善」と言われ、人間の行いの不純性を教えらえます。善には違いないのですが、その質を問われ、自らの心の底を見つめられたのです。
