２月の法語は「いろんな出来事 全部 人生の肥料」です。
お釈迦さまは「一切皆苦（いっさいかいく）」と言われました。
「私の人生」「私の体」「私の心」と言いながら、何一つ思い通りにならないのが現実です。理想の顔でも体型でもありませんし、気持ち一つコントロールできないのが私なのです。
しかし、何もかも思い通りになったとしたら、どうでしょうか。曇鸞大師のお言葉に「セミは春・秋を知らないから、夏を知ることもない（筆者意訳）」というものがあります。私たちは日本に住み、四季を経験していますから、今の季節は何かということを知っていますが、夏しか生きることができないセミは、自分がどの季節に身を置いているのか知らないということです。
つまり、私たちは人生において、辛いこと、苦しいこと、声をあげて泣きたいような出来事を経験しているからこそ、厚みのある人間に成長することができるのです。
思い通りにならない場こそが、人生の修行の場なのではないでしょうか。
