10月の法語は「人間のものさしは どこまでも 不確かである」です。
早いもので、もう十月です。すっかり秋らしくなりました。振り返りますと、今年は「コロナ」一色の一年でした。
アベノマスクに対する批判の声が連日、メディアやＳＮＳで紹介された時期もありました。
しかし、8月末に安倍総理が持病の悪化を理由に辞任表明をされると、それまで安倍反対派として心無い意見を発していた人たちが一変して掌を返し、以前、自分と同じように批判していた人たちを批判し始めたのです。
私たちはみんな自分を基準としたものの見方で、他者や世の中を見渡しては裁判官のように白黒を判断して物申しますが、自分の基準ほど当てにならないものはありません。自粛生活が続き、心が荒んでくると、それまで良い人だと思っていた人の口から、次々に零れ落ちる暴言を耳にし、どうでもいい人になってしまいました。このように、縁によってころころ変わっていく私の在り方をお経には「心想嬴劣（しんそうるいれつ）」と言われ、愚かさを指摘されるのです。
